今IT業界はパラダイムシフトの時代である。
そして、今やすべての人がIT機器を使って日々の生活をしているわけで、ひいては、世界中の人がコミュニケーションの仕方、仕事の仕方、情報の処理の仕方についてパラダイムシフトをしなければならない時期だと思う。
パラダイムシフト商品やサービスは日々出てきている。後は使う側の考え方、行動が変わる必要があるだけ。
しかし、このアーリーアダプターからアーリーマジョリティーへの壁はイノベーション理論にもあるようにかなり高い。
PCと電話機を中心にしたコミュニケーション、情報処理のやりかたにずっぽり浸かっている人たちが、クラウド、モバイルなどをベースとした新しいパラダイムに切り替える(必要があると気がつく)のは容易なことではない。単純にシステムをクラウドサービスに変えて、ノートパソコンを新しいモバイル機器に変えれば良いというものではなく、考え方を180度変えなければならないからだ。
パラダイムシフト商品を出している企業は一生懸命新しいパラダイムが理解されるよう、商品説明というよりは「新しいパラダイムの後の生活(Life after big change)」をイメージする様なパブリシティーを一生懸命やっている。
しかし、ここで気がつくのは、これらとは全く逆向きの行動がみられる事だ。
新しい技術の商品を「今までの考え方のままで使えますよ」というのを売りにしている商品や宣伝が目立つ。
つまり、これを買えば、最新の技術の商品やサービスを、今まで通り何も変えずに使えますよ、と言っているわけだ。
私は、これらを「パラダイムシフト阻害商品」と呼んでいる。
確かに今、マーケットに聞いてアーリーマジョリティーからラガードまでの84%のボリュームゾーンに答へようとするとこういう商品が出来あがるのだろう。大手企業に特に顕著にみられる。
そして、新しいテクノロジーが商品として売れるが、パラダイムシフトは起こらず、クリティカルマスは先延ばしになってしまう。イノベータ企業が一生懸命使っているマーケットエデュケーション費用をどんどんと無駄遣いに変えている。
こういうのってどうなんでしょうかね。大きなパラダイムシフトの時には必要な手続きという事なんでしょうか?
考えさせられます。