日経新聞のiphoneアプリが出たので早速インストールして何日か使ってみた。
日経新聞のWebサイトを有料化した時には我が家で家族が読む為に紙の新聞と電子版のセットプランで加入したが、正直言って、電子版はめったに活用していなかった。
iphoneアプリであれば通勤中などいつでも見れるので、これは使えるかなと期待してのダウンロード。
無料アプリだが、購読自体が有料だからあたりまえか。
アプリ自体は、まあ良く出来ている方だと思う。
ダウンロード型なので、オフライン状態でも読めるという売り込みだ。
産經新聞の様に紙の新聞の概念のままiphone対応というのに比べると、ぐっと使いやすい。
しかし、やはり、すでに毎日使う物では無くなっている。
なぜか。
独自アプリだからだと思う。
日経新聞だけ読みたい、というニーズは本当にあるのだろうか。
日経新聞のファンであればあるのかもしれないが、一般的には「ニュース」を知りたいのであって、「日経新聞」だけを読みたいという訳ではない。
私は毎朝、WebサイトのRSSという機能を使ったNeewsReaderを使って、いろいろなニュースを読む。
NewsReaderに登録されているものすべてが読めるので、アサヒニュースもあればCNNもあり、ガジェット系のニュースもあれば、ブロガーのサイトもある。知人のブログもあれば、仲間の写真アルバムもある。
これらが混在(もちろん別々に見る事も出来るが)したリストの中から、未読のマークがついている物のうち興味のあるものから読んで行く。
日経新聞のiphoneアプリはこの一連の作業の中に組み込めないのである。
もう一つの大きな問題は、記事を読んだ後のアクションが出来ない事である。
これは電子書籍まで含めて全般的に日本の出版業界の電子化対応に欠落している部分だと思う。
読んだだけでは普通は終わらないのだと思う。
その情報に価値があればあるほど、読み手は次のアクションを起こすものだと思う。
単純にラインマーカーを引いたり、付箋を付けたりして後で再度読み返しやすい様にする事も多いだろう。
特定の事についてさらに深く調べる事もあるだろう。
そのニュースをtwitterやFacebook、あるいはメールで関係者と共有したいと思う事もあるだろう。
そのニュースを元に部下に作業の指示を出す事もあるだろうと思う。
日経新聞iphoneアプリはそれが出来ない。NewsReaderはTwitter,Facebook,Evernote、ReadItLaterなど2次利用へのインターフェースを大体そなえている。
日経新聞もそういったインターフェースを備えればいいじゃないかと言う事かもしれないが、インターネットのはやりすたりのスピードは速く、おそらく追いつかない。餅は餅屋に任せた方がいい。勝手にお互いに主流を見つけて接続性を保つ。
同じ様な理由で電子書籍のコンテンツアプリ型もいただけない。
有料化おおいに結構だと思う。著作権も守られるべきだと思う。
しかし、業界の方々は「有益な情報は読んだ後に活用される」という事は前提にすべきではないかなと思う。